Tomorrowオンライン講演会のダイジェスト(前編)
2020年11月7日(土)と8日(日)で開催された『Tomorrow~パーマネントライフを探して~』のオンライン講演会のダイジェストをまとました!当日、参加できなかった人にも内容を知っていただきたく、当日の資料を公開いたします。
オンライン講演会の後半で行われたZOOMでのディスカッションについては、また後日まとめて記事にしますので、もう少々お待ちください。内容が濃かったので、まとめるのに苦戦しています!
それでは、【オンライン講演会ダイジェスト】です。(約3000文字)
▶『Tomorrow』の監督シリル・ディオン氏の著書の紹介
映画『Tomorrow』を観て感動した方は、是非こちらの本を是非。映画では、様々な事例が紹介されていましたが、この本は私たちが環境活動に取り組むうえでの具体的な指針を示してくれます。
シリル・ディオン氏の主張は明確です。
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私たちは、いくつかの強固な『構造』に縛られている。
・『お金のための労働』に従事せざるを得ない。
・『スマートフォン』に貴重な時間を費やしている。
・『民主主義の限界』に直面している。
そして、これらを変えることのできない『物語』であると、信じてしまっている。
だが、本当にそうだろうか?
こうした『物語』を書き換えることができたら?
より素敵な『物語』を創造することができたら?
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ひとりひとりの行動は大きな変化を生むことができます。
なぜなら、ひとりひとりの行動が今の社会の構造をつくっているから。
環境にマイナスなことをしている巨大企業について、「大きすぎるから変えられない」と諦めるのではなく、私たちの行動を変えることで「巨大企業の力」を抑制できないか考えるべきです。
本のなかでは具体的なアクションも多数紹介されています。ここに書かれてあることを、『全てを一気に』実践することは簡単ではないかもしれません。
でも、その中の一つでも、数回に一回でも…多くの人が行動を変えれば、大きな変化を生むキッカケになるかもしれません。
▶下関の意識の低さについて
下関市において、環境への取り組み意識は極めて低いです。最近下関市で行われたイベントや下関市の環境政策課が作成しているWebサイトを見るとすこし悲しくなります。
・ドライブインシアター
昭和ですか。わざわざ車で二酸化炭素を排出しながら見る必要性が理解できない。イマドキ、映画なんてオンラインで見れるというのに。
・海響グルメフェス
「エコバッグを持参してください」と言いながらも、当日は何も聞かれず、普通にビニール袋で渡される。エコバッグ用意していったのに…そして、弁当の中身よりプラスチックのゴミの量が多い。これではテイクアウトの弁当を買う気がしない。コロナ禍で苦しい外食産業の支援という側面もあるのでしょうが、それであれば将来的に必要とされるような、サステイナブルな提供のあり方を考えて欲しかった。
・環境政策課webサイト
https://www.shimonoseki-coolchoice.com/
視点がまだまだ浅い。どれだけ本気なのだろうか?
ウォームビズランチで、環境問題が解決…できるわけないでしょ!なんだコレは!?
税金を使ってコレは悲しい。。。
しかし、『市政・市議のレベル』は、『市民のレベル』の鏡。これから、みんなで勉強して、もっと賢くなりましょう。
▶本題:価値観を変えよう
これは社会の仕組みの問題であると同時に、それぞれが信じている価値観の問題なのだと私は考えます。現代の私たちは、『資本主義の考え方』をあまりに強く信じています。
世界は一つの市場であって、そこでは生産性が全てである。
エネルギーは化石燃料を使い、製造は途上国の安い人件費で賄い、購買力のある先進国で消費させる。自然は単なる資源、人の労働はコストとして考える。この仕組みは、環境に大きな負荷をかけると同時に、社会全体に格差を生んだ。また、そうした「お金のためだけ」の仕事に価値を見出せずにいる人も増えてきている。
これを変えるのは簡単ではありません。けれど、少しずつ選択を変えていくことはできるはずです。人にも、自然にも優しい、持続可能な考え方。その基本はいたってシンプルです。
それは、地域にある自然の範囲内で、自立した社会をつくるということ。
まずは、地域にある生態系の範囲内で「衣食住」を完結させる。広義の地産地消。
自然エネルギーを活用して、有機農業をできるかぎり採用する。そこでは多くに人が雇用されるだろう。顔の見える経済が生まれ、仕事にやりがいを感じられるようになる。
もちろん、こうした完璧な循環ができるまでには時間がかかるかもしれません。
しかし、一つ一つの行動に意味がある。私たちに今からでもできることは沢山ある。
・アマゾンでの買い物をやめる
・アップルストアでの買い物をやめる
・ぐるなび・ホットペッパーでの予約をやめる
・ビーフ、パスタ、小麦などをやめる
・チェーン店の利用をやめる
これだけの行動で地域の経済がどれだけ変わるか?
簡単な経済モデルで考えてみましょう。
すべてを地域内で循環した場合、地域の総生産は3000万円になります。
一方で、30%の消費を地域の外でしてしまった場合、地域の総生産は何と約1/3程度になってしまいます。
地域で経済が循環すれば、地方で雇用も生まれ、必然的に環境負荷は下がる。
つまり、環境保護と地域経済は非常に相性の良いテーマなのです。
こうした変化は、一人ひとりの『物語』が変わることでもたらされます。
そうした変化は、社会全体の『構造』を変えることにつながります。
▶行政・議会に取り組んでほしいこと
ここまでは、市民・個人が取り組むべきことを紹介しましたが、行政や議会の側からも取り組むべきことも紹介したいと思います。
・有機農業の給食
子供たちの健康はもちろん、地域で雇用を生み、経済を活性化しながら、環境にも貢献できる。政策的に後押しすることで、有機農家に安定的な収益をもたらし、持続可能な農業を地域で広めることは、食料自給率の向上にもつながる。
・生ごみの堆肥化
家庭から出る生ごみを堆肥化して、有機農法を推進する農家を家庭も支援する仕組みを。これを実践することで、消費者にも環境に対する意識が向上する。
・ゼロ・エミッションの実現
企業においても、製造・流通の過程から、廃棄とならないような配慮をした責任のある取り組みを推進。何も考えずに利用しても、環境に良い社会の仕組みのために、企業の側からも変化を。
・真のグリーンエネルギー
あえて「真の」というのは「偽物の」グリーンエネルギーがあるからである。バイオマス発電であっても、海外から燃料を輸入していては、本当に環境に優しいエネルギーとは言えない。
風力発電は地域住民の理解なしには建設できないし、太陽光発電は自然の生態系を破壊して建設しても意味はない。ただ、発電量という名目に囚われずに、地域の生態系と両立する「真のグリーンエネルギー」を推進すべきだ。
・地域通貨の推進
地域内の送金手数料をゼロ円にして、地域内で経済が循環する仕組みを。地域内で経済が循環することは、先に述べたように、雇用や所得に大きな影響を与える。今後の経営が危ぶまれる地方銀行は、小手先の手数料アップに逃げることなく、行政とタイアップして急ぎ地域通貨に取り組むべきでは。
▶これから取り組むべきこと
ここまで、紹介してきた考え方やアイデアに賛否はあるかと思います。そして、それ以外の方法も沢山あると思います。また、ひとりひとりが今すぐに始められることもあれば、多くの人が協力しなければできないこともあります。
一番大切なことは環境や地域に関心のある個が繋がって、より大きな『物語』を創っていくことなのだと思います。
ここまでが、講演会前半の内容です。
多くの方に『継続が一番大事』ということを言って頂きました。私たちの次のステップは、コミュニティ・カフェを通じて人と人が繋がれる場を提供することです。また、こうした企画や議論の場をつくり、より多くの人で、より大きな『物語』をつくるお手伝いがしたいです。
これから、ひとりでも多くの人と繋がり、お互いに力を合わせて、地域や環境のためにできることに取り組めることを楽しみにしています。
今回は、私たちの企画に参加してくださって、本当にありがとうございました!
これからも、宜しくお願い致します。
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